⽇本性差医学・医療学会
学術集会における利益相反(COI)開⽰について
利益相反とは
医学における利益相反(conflict of interest:COI)とは、科学的客観性の確保や患者ないし被験者の利益を保護するという研究者や研究機関の責任に,不当な影響を与え,重大なリスクを生じうるような利害の対立状況を指します。具体的には、企業等営利団体からの資金提供によって実施された医学研究の結果の判断が、資金提供元にとって有利あるいは不利になる可能性がある場合に、公正であるべき研究結果の判断に影響をもたらしかねないと第三者から見て懸念される状況を意味します。
開示する対象者・条件
演題発表時は利益相反の開示が必要となります。
開示が必要となる対象者は発表者全員です。
開示の対象期間は抄録提出時より過去3年間です。
発表する演題が、以下の条件に該当する場合には利益相反状態の申告が必要となります。
1.発表演題が「臨床研究」である。
当学術集会における発表は、「臨床研究」に該当するものが多いと考えられますが、
「臨床研究」の定義については『臨床研究の倫理指針』(厚生労働省)をご参照ください。
https://www.jslm.org/committees/coi/mhlw_coi_gd.pdf
2.演題登録から過去3年以内に、発表内容に関連する企業や営利を目的とする団体から、下記のいずれかに該当する報酬などを受けている。
① 企業・法⼈組織,営利を目的とする団体での役員.顧問
→ 年間の合計収入が100万円以上の場合
② 産学連携活動の相手先のエクイティ(株保有・利益など)
→ 年間の株式による利益(配当,売却益の総和)が100万円以上の場合或いは当該全株式の5%以上を所有する場合
③ 企業・組織や団体からの特許使用許諾ならびに特許使用料
→ 特許使用許諾もしくは1つの権利使用料が年間100万円以上の場合
④ 企業・組織や団体から,会議の出席(発表)に対し,研究者を拘束した時間・労力に対して支払われた日当(講演料など)
→ 1つの企業・団体からの講演料が年間50万円以上の場合
⑤ 企業・組織や団体がパンフレットなどの執筆に対して支払った原稿料
→ 1つの企業・団体からの原稿料が年間50万円以上の場合
⑥ 企業・組織や団体が提供する研究費
→ 1つの企業・団体から医学研究(受託研究費,共同研究費,臨床試験など)に対して,申告者が実質的に使途を決定し得る研究契約費の支払われた総額が年間100万円以上の場合
⑦ 企業・組織や団体が提供する奨学(奨励)寄付金
→ 1つの企業・組織や団体から,申告者個人または申告者が所属する部局(講座・分野など)或いは研究室に対して、申告者が実質的に使途を決定し得る寄附金の総額が年間100万円以上の場合
⑧ 寄付講座所属
→ 企業・組織や団体が提供する寄附講座に申告者が所属している場合
⑨ 試薬・機器・役務等の供与
→ 医学研究において使用される試薬・機器などを無償もしくは特に有利な価格で提供があった場合や、データ解析その他の役務提供があった場合
⑩ 研究とは直接無関係な旅行、贈答品、金品、便宜などの特別な提供
→ 1つの企業・組織や団体から受けた提供の総額が年間5万円以上の場合
※ ①「企業・法人組織,営利を目的とした団体での役員、顧問」とは、研究機関に所属する研究者が特定企業の役員、顧問職に就任し、契約により定期的にかつ継続的に従事し報酬を受け取る場合を意味しており、相手企業からの依頼により単回でのアドバイスなどの提供は④「企業・組織や団体から,会議の出席(発表)に対し,研究者を拘束した時間・労力に対して支払われた日当(講演料など)」として申告する。
※ ⑥、⑦については、発表者全員に関して所属する部局(講座・分野)あるいは研究室などについて、が研究成果の発表に関連し、開示すべきCOI関係にある企業・組織や団体からの研究成果に関連する研究経費、奨学寄付金などの提供があった場合は、申告する必要がある。なお、企業などから提供される研究費・寄附金のうち、申告者が実質的に使途を決定し得る金額、研究機関の長から実際に割り当てられた金額の年間総額が対象となる。
※ ⑨において、医学研究において使用される試薬・機器などを無償もしくは特に有利な価格で提供があった場合や、データ解析その他の役務提供があった場合、それらを金額に換算することはしばしば困難であるので、「試薬の提供」「機器の提供」「役務の供与」等を記載する。
利益相反状態開示の方法
演題発表時には、利益相反状態の開示が必要になります。
利益相反の有無を、口演演題はスクリーン掲示、ポスター演題はポスター掲示にて開示して下さい。
開示書式は、下記よりダウンロードを行って下さい。
(口演演題はスライドの二枚目、ポスター演題はポスター掲示の最後に掲示して下さい。)
日本性差医学・医療学会学術集会でのCOI開示書式
以上は、「日本医学会COI管理ガイドライン」に基づいて作成しております。
更なる詳細は、その時点で最新の「日本医学会COI管理ガイドライン」をご参照ください。
日本医学会ホームページ ガイドライン https://jams.med.or.jp/guideline/index.html